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  国宝の美術品約千二百点中およそ一割が日本刀で数も多いのですがその割には日本刀の美と内容は一般にあまり知られていません。
 日本刀を見て感動するのは神秘性、極限を追求したがゆえに生まれた美しさだと思います。
 むだのない洗練された姿の美しさ、深く青々とした地鉄の鍛え込まれた美しさ、星のように煌く刃文の美、
 祈りを込めた彫刻美など複雑な美が渾然一体となって一振りの日本刀が出来ています。
 
 
  日本刀は世界に類を見ない武器であることは、折れず、曲がらず、よく切れるといった武器としての機能性を備えたことのみならず、美しい美術工芸品だからこそにほかなりません
 
 鑑賞の楽しみ方はさまざまですが、単なる歴史的貴重性や武器としての機能性だけで満足することなく、先人たちが大事に残してくださった魅力あふれる光りの芸術品をより深く鑑賞してみてはいかがでしょうか?
 
 刀の鑑賞の際、(1)姿(刀身全身の姿) (2)刃文 (3)地鉄 は重要な見どころです
 
 そこには時代による特徴(時代性)、地域による特徴(地域性)、刀工による特徴(流派性)がつまっていて、刀の姿を見ると作刀の時代がわかり、鉄質・個性豊かな刃紋で流派、刀匠の名前までわかるのです。
 刃紋もいろいろありますが直刃のもつ緊張感と簡潔美、乱れ刃の示す変化の妙と華麗さ、共に美しい美感を呈します。
 
 また、日本刀は、約1,000年の歴史があり、その歴史は大きく3つに分類されます
 
 
 
                        
                          
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                                  |  平安末期(10C末)〜鎌倉時代〜南北朝期(ここまで太刀と呼びます)〜室町時代(1467年の応仁の乱以後末古刀と呼びます)〜安土桃山時代(末古刀と新刀期の作風が混在します)そして関が原の合戦(1600年)まで
 
 
  江戸時代 慶長〜天明・寛政頃まで
 (新刀中、特徴のある初期作風を慶長新刀また、寛文年間ころの作風を寛文新刀と呼びます)
 
 
  江戸時代末期文化ころ(1804年) 〜明治時代初期(明治9年=1876年 廃刀令までを指すが作刀はその後も続く)
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  武器として【切れる】という機能は硬さを、【曲がらない】という機能は柔軟さを要求され両者は全く相反した要求である。
 つまり、『折れず曲がらず』という言葉には矛盾が存在します。
 折れない刀は軟らかく、曲がらない刀は硬いからです。
 しかし、日本刀はこの矛盾点を解決しております、何故?
 それは、日本刀に使われている鋼がその部所により《刃鉄、皮鉄、心鉄の組み合わせで作られています》異なっているからです。極限までその硬い刃鉄が働き、限界を超えたとき内部に潜むねばりある心鉄が折れることをふせぐのです
 また、【切れる】という機能面から日本刀が強靭鋭利になる最大の理由は「折り返し鍛錬」にあります。
 十五回折り返し鍛えればその組織は三万二千七百六十八枚の層になる接合面が生まれその強靭さは言うまでも無く更に
 板目・柾目・杢目など美しい文様を出現させます。
 
 日本刀は総合的な美術品で魅力がいっぱいです。
 例えば「鞘」の漆塗りは今日の漆芸の基礎になる高いランクの美術品ですし、腰に刀を固定する「下げ緒」は組みひもの芸術品、又「鐔」をはじめとする刀の外装金具は日本彫金の精華です
 どれも一驚するすばらしさです
 この静謐な美しさから溢れ出る物語は時の流れを越えて心に響きます
 
 手に持って見る名刀との出会いは忘れがたい経験です
 
 少しでも興味のある方は、ぜひ気楽にお店に遊びに来て下さい
 
 美術館では味わえない楽しさがあります
 
 霜剣堂 黒川 精吉
 
 
 
  
 
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